おふくろの初盆でした。
遠州地方では、故人が初めて自宅へ帰ってくる大切な日として、全国共通のお盆の習わしに加え、遠州ならではの飾り付けや提灯、お寺での法要などが受け継がれています。
最も特徴的なのが玄関先に吊るす初盆提灯で、故人が迷わず帰って来られる目印となります。

家紋入り下げ提灯 絹張り の岐阜提灯。

遠州地方では、松の木を使い、静かに燃える炎を見つめながら故人を迎えます。
火は「あの世」と「この世」をつなぐ道しるべとされ、家族みんなで手を合わせます。

お寺では施餓鬼法要が営まれます。施餓鬼とは、ご先祖だけでなく、すべての精霊へ供養を行う仏教行事です。遠州地方では初盆の時期に施餓鬼へ参列する家庭も多く、住職の読経の中で故人の冥福を祈ります。

初盆では仏壇とは別に祭壇を設けます。

お盆期間中は故人へ食事を供えます。ご飯や汁物、小鉢などを並べた精霊膳のほか、果物、お菓子、故人の好物などをお供えします。

宅施食法要は、和尚さんを自宅に招き、お経を読んでもらう。

遠州地方では、親族だけでなく近隣の方々がお参りに訪れる風習が今も残っています。
お参りいただいた方と、故人とのエピソードを聞くことができる貴重な時間です。

遠州地方の初盆は、提灯を飾り、迎え火を焚き、お寺で供養し、祭壇を整えて故人を迎える大切な行事。形は時代とともに変化しますが、「感謝」と「供養」の気持ちは変わらず受け継がれています。


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