歴史散策のあと、さらに車を走らせて大仁駅近くの静かな路地へ。 そこに見えてくる、食事処 たけ。多くのファンや目の肥えた旅人たちが、その評判を聞きつけて訪れる、大衆食堂の名店。
この店が提供するのは、店主が誇る「本マグロの一本買い」という一切の妥協なき仕入れ 。
丸ごと買い付けるからこそ、驚くほど高品質な部位をリーズナブルに提供することが可能となる 。
注文したのは、評判の中トロ丼と店名を冠した たけ定食( ̄¬ ̄*)じゅるぅ~

丼一面を覆い尽くす、極上の本マグロ中トロ。秘伝のタレに漬け込まれた、輝くような切り身。

一歩足を踏み入れれば、そこは懐かしく心地よい、昭和の空気が漂う空間。
壁面を埋める、地元で競い合うアスリートたちの直筆サイン。
長年、人々の身体と心を支え続けてきた、温もり溢れるアットホームな客席。

壁一面を埋め尽くすように貼られた手書きのメニューは、昭和館満載だ。

ドライブの疲れを吹き飛ばす、冷たい生ビール。旅の緊張を優しく解きほぐす至福の一杯。
たけ定食には小鉢がたくさんついているからと、先に提供してくれた。手作りのマカロニサラダや和え物が、主役の料理を優しく引き立てる。

甘辛く煮付けられたマグロの角煮。一口食べれば、ぎゅっと凝縮された海の旨味が広がる。

艶やかな本マグロの中トロ。
特製の醤油ダレに絶妙な時間で漬け込まれた切り身は、外側から美しく飴色に染まっている 。

口に運んだ瞬間、体温で滑らかにとろける上質な脂の甘み。そして赤身が持つ、かすかな酸味と本マグロ特有の華やかな香り。大盛り気味のシャリも相まって、旅人の胃袋を完璧な満足で満たしていく 。

豪華な「たけ定食」の全貌。新鮮な刺身と、サクサクのフライを同時に愉しめる贅沢な御膳。

艶やかに透き通る刺身の盛り合わせ。一本買いだからこそ実現する、抜群の鮮度を誇る海の恵み。角の立ったマグロ、白く透き通るようなイカ、そして旬の白身魚。どれも噛みしめるたびに、海の清らかな香りと圧倒的な鮮度が弾ける。これほどまでのクオリティの刺身を、気軽な食堂のセットメニューで愉しめるのは贅沢 。

サクサクの衣を纏ったフライ。実は、ふわっふわのアジフライが食べたくて注文した。
半分に切られたアスパラの肉巻きが、美しい緑色のコントラストを描く。

箸で持ち上げたアスパラ肉巻きフライ。
サクッとした衣の中から、アスパラの瑞々しい甘みが溢れ出す。

店内にそっと掛かる黄色い暖簾。素朴で温かいおおらかなもてなしの心を象徴する美しい佇まい。
お母さん、足を痛めちゃったからって、大変そうだった。早く治してください。
心も体もこの上ない満ち足りた幸福感に包まれ、「食事処 たけ」の暖簾を後にする 。支払いは、昔ながらの現金決済のみというのも、昭和の情緒を感じさせる心地よいルール 。
世界遺産の歴史に触れ、奇跡のようなマグロの味わいに出会ったこのドライブは、豊かな自然の風景とともに、旅人の心に深く刻まれたのだった。


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